ドイツの租税条約申請

 ドイツ国内法では、日本のゲーム会社がドイツのゲームパブリッシャーから受け取る著作権使用料は、原則として15%の源泉税と連帯付加税の対象となり、通常の実効負担率は15.825%です。

 日本・ドイツ租税条約第12条などの要件を満たす場合、ドイツの源泉税は0%となる可能性があります。

 10,000ユーロの簡便規定に該当する場合を除き、支払前にドイツ連邦中央税務庁(BZSt)の免税証明書を取得し、ドイツ企業が支払時に保有していることが重要です。

 法的な申請者は日本のゲーム会社ですが、書面による委任を受けたドイツのゲーム会社が、BZStのドイツ語画面から免税申請を電子提出できます。

このページの目次

 日本のゲーム会社が、自社開発ゲームの著作権を保有したまま、ドイツのゲームパブリッシャーへドイツ国内での出版、販売促進、配信、オンライン提供などの権利を許諾し、その対価として著作権使用料を受け取る場合、ドイツで源泉徴収されることがあります。

 ただし、その支払が日本・ドイツ租税条約上の「使用料」に該当し、日本法人が使用料の受益者であり、条約および租税回避防止要件を満たすときは、同条約第12条により、ドイツの源泉税を0%にできる可能性があります。

 このページでは、日本のゲーム会社を法的な申請者とし、書面による委任を受けたドイツのゲーム会社がBZStへ電子提出する免税手続を中心に、必要書類、事業実体の確認、居住者証明書、10,000ユーロの簡便規定および支払前の実務手順を整理します。

結論:ゲーム配信許諾に係る著作権使用料は源泉税0%になり得ます

 ドイツ国内法では、ゲームの出版・配信権などの使用許諾に係る報酬から、原則として15%の源泉税と、その税額に対する5.5%の連帯付加税が差し引かれます。通常の実効負担率は15.825%です。

 一方、日本・ドイツ租税条約第12条は、日本の居住者が受益者であり、条約その他の適用要件を満たす使用料について、日本においてのみ課税する取扱いを定めています。

 そのため、要件を満たす日本のゲーム会社が受け取るドイツ源泉の著作権使用料は、ドイツの源泉税が0%となり得ます。

 実務では、10,000ユーロ以下の簡便規定に該当する場合を除き、支払前にBZStの免税証明書を取得します。

 法的な申請者は日本法人ですが、署名済み委任状に基づき、ドイツのゲーム会社が電子申請を代理提出できます。

 免税証明書は遡って発行されないため、契約締結後の早い段階から準備し、支払時にドイツ企業が有効な証明書を保有している状態にします。

日独租税条約を適用した場合の税率

 ここでいう0%は、ドイツでの源泉徴収税率です。受領した使用料収入は、日本法人の日本での法人税申告に反映する必要があります。

 また、契約書に「Royalty Fee」や「License Fee」と書かれているだけで、必ず著作権使用料に該当するわけではありません。

 ゲーム名、著作権者、許諾する権利、地域、期間、使用料の計算方法および支払時期など、契約内容の実質を確認します。

所得の区分条約適用前条約適用後主な根拠
著作権使用料15%+連帯付加税(実効15.825%)0%(免税)日本・ドイツ租税条約 第12条

日本・ドイツ租税条約第12条の0%を受けるための主な要件

源泉税0%は自動的に適用されるものではありません。少なくとも、次の事項を確認します。

  • 受取人が日本・ドイツ租税条約上の日本の居住者であること
  • 受取人が使用料の受益者であり、第三者の代理人、名義人またはパススルーとして受領するものではないこと
  • 受け取った使用料を自由に使用・収益でき、契約上または事実上、第三者へ移転する義務を負っていないこと
  • 支払の実質が、ゲームの著作権に基づく出版、配信、オンライン提供その他の利用許諾の対価であること
  • 使用料に関係する権利または所得が、ドイツの恒久的施設(PE)と実質的に関連していないこと
  • 日本法人が日本で実質的な経済活動を行い、使用料の発生源がその事業活動と実質的に関連していること
  • 日本・ドイツ租税条約第21条およびドイツ所得税法第50d条第3項などの租税回避防止要件を満たすこと
  • 支払前に有効なBZSt免税証明書を取得するか、10,000ユーロ以下の簡便規定の適用可否を確認すること

注意:契約内容、株主構成、事業実体、権利の保有・管理状況、使用料の支払経路などにより、必要な説明や追加資料は異なります。

ゲーム配信許諾の対価は著作権使用料ですか

 ゲーム販売代金そのものか、著作権利用許諾の対価かは、契約書の名称ではなく、支払の実質で判定します。

 日本のゲーム会社が著作権を保有したまま、ドイツのパブリッシャーへドイツ国内で出版、販売促進、配信、オンライン提供する権利を許諾し、その利用実績や売上高などに応じて対価を受け取る場合は、著作権使用料に該当する可能性があります。

 これに対し、ゲームそのものを売り切る取引または開発、移植、運営などの役務提供の対価は、著作権使用料とは異なる所得区分となる可能性があります。

 契約書と請求書には、ゲーム名、著作権の帰属、ドイツで許諾する権利、許諾地域、許諾期間、使用料の計算方法および支払時期を具体的に記載しておくことが重要です。

ゲーム配信許諾に係るドイツの租税条約対応で準備する書類

 日本のゲーム会社が資料を作成・確認し、書面による委任を受けたドイツのゲーム会社がBZStの公式画面へ入力して、委任状と添付資料を電子提出します。

 BZStから質問票や追加資料を求められた場合は、事業実体、受益者性および条約特典を受ける資格を説明する資料を追加します。

書類日本法人の対応提出・保管先位置付け
BZSt電子申請用委任状対象契約と委任範囲を確認し、代表者が署名ドイツ企業が申請に添付代理提出の基本書類
申請情報提供ワークシート会社、契約、金額、期間、条約適用理由を作成・承認ドイツ企業が公式画面へ転記電子申請の基礎資料
居住者証明書日本の所轄税務署へ交付請求し、鮮明なPDFを送付BZStの添付資料日本の居住性の証明
ゲーム出版・配信許諾契約書権利、地域、期間、著作権帰属、使用料計算を確認BZStへ添付・双方保管所得区分・権利範囲の確認資料
請求書・ロイヤリティ明細・支払予定表金額、対象期間、契約番号、初回支払日を明記BZSt・支払者・銀行支払内容の確認資料
会社・株主・事業実体資料法人番号、資本関係図、登記英訳、決算書、事務所・給与資料等を準備BZStから求められた場合受益者性・経済活動の裏付け
PE不存在宣誓書・質問票事実関係を確認し、求められた場合に作成・署名BZStまたは支払者PE・租税回避防止要件の説明

BZSt免税申請は誰が行い、どこへ提出しますか

 法的な申請者は、著作権使用料を受け取る日本のゲーム会社です。

 ドイツのゲーム会社は、署名済みの書面による委任状に基づき、第三者として電子提出を代行します。

 ドイツ企業は、BOP等の申請環境から「Antrag auf Entlastung (Erstattung/Freistellung) vom deutschen Steuerabzug gem. § 50c EStG」の公式電子データセットを送信します。

 支払前に源泉徴収を免除する場合は、「Freistellung(免税)」を選択します。「Erstattung(還付)」と取り違えないよう、提出前に日本企業も入力内容の控えを確認します。

 従来の§50c EStGのPDF様式を郵送したり、PDFを添付したりするだけでは、原則として正式な電子申請になりません。

 委任を受けたドイツ企業が公式画面からデータを送信します。

 送信後、日本企業は、受付控え、Account-ID、申請内容、添付書類一覧、BZStからの照会と回答、免税証明書の写しを受領して保存します。

BZSt電子申請で確認する主な入力項目

 ドイツ企業から申請ドラフト、画面のPDF出力または入力内容一覧を受け取り、日本企業が最終確認します。主な確認項目は次のとおりです。

1. 支払者・源泉徴収義務者兼代理提出者

  • ドイツ企業の正式名称・所在地
  • ドイツ税務番号
  • 書面による委任状に基づく代理人としての地位

2. 受取人・申請者である日本法人

  • 法人の正式名称・英文所在地
  • 居住国としてJapan
  • 日本の法人番号、代表者、担当者および事業内容

3. 使用料の内容

  • ゲーム名と契約番号
  • 出版、販売促進、配信、オンライン提供など、ドイツで許諾する権利
  • 著作権が日本法人に留保されていること

4. 金額、通貨および支払対象期間

  • 免税申請期間の使用料見込額
  • 通貨(EUR、JPYなど)
  • 支払日または支払対象期間

5. 条約上の根拠と適用要件

  • 日本・ドイツ租税条約第12条および税率0%
  • 受益者性、日本の居住性、条約特典を受ける資格
  • ドイツPE不存在と権利・所得がPEに実質的に関連していないこと
  • 国内法上の15%+連帯付加税から、条約上0%とする申請であること

6. 申請者の確認・承認と添付資料

  • 日本法人の代表者または権限者が内容を確認し、署名または提出承認を行うこと
  • 居住者証明書、委任状、契約書、請求書、支払予定表その他の添付資料
  • ドイツ企業が電子提出し、受付控えと決定通知を日本企業へ共有すること

上場会社・非上場会社と事業実体の確認

 BZStから質問票や追加資料を求められた場合、上場の有無だけでなく、株主構成、実質的な経済活動、事業所、従業員、意思決定、知的財産管理および使用料との関連性を説明します。

区分主な確認事項資料例
上場会社上場市場、ISIN、主要な株式が認定市場で取引されていること、上位親会社の有無上場情報、会社概要、資本関係図
非上場会社直接・間接の最終株主までの氏名・名称、住所、持株比率およびグループ関係株主名簿、履歴事項全部証明書、資本関係図
共通日本での真正な経済活動、ゲーム権利の保有・管理、事業所、従業員、経営判断、使用料と事業活動の実質的関連決算書、事務所賃貸借契約、給与資料、組織図、ウェブサイト、IP管理資料

 租税条約上の特典を得るためだけに日本法人を介在させたものではなく、使用料を第三者へ移転する義務がないことも、受益者性とともに確認します。

ドイツ企業への委任と日本企業・ドイツ企業の役割分担

 日本のゲーム会社は、ドイツ企業に代理提出を依頼することにより、BZStのドイツ語画面を自ら操作する必要はありません。

 ドイツ企業が代理提出を引き受けること、担当部署、担当者、費用負担、提出期限、照会対応および決定通知の共有方法を、準備開始時に合意します。

手続ドイツのゲーム会社日本のゲーム会社
委任状委任内容を確認して申請に添付対象契約、免税申請、行為権限、決定通知受領権限を確認し代表者が署名
電子申請ドイツ語画面へ入力し、資料をアップロードして送信法的な申請者として情報を提供し、提出前ドラフトを確認・承認
BZSt照会質問を日本企業へ共有し、回答を入力・提出事実関係と裏付資料を作成・提供
免税証明書決定通知を受領し、支払前に経理部門が保管写しを受領し、有効期間、対象契約、支払者、税率0%を確認

委任状に記載する主な権限

  • 免税申請の電子的な提出および添付書類のアップロード
  • 追加説明の提出ならびにBZStからの照会に対する回答(Handlungsvollmacht)
  • 決定通知の受領および日本の申請者への速やかな転送(Bekanntgabevollmacht)

 委任状は、ライセンス契約を変更する権限、申請者の請求権を放棄する権限、または支払金を受領する権限まで付与するものではありません。対象契約と免税手続を明確にし、白紙委任は避けます。

 BZStまたはドイツ企業が指定する委任状様式がある場合は、その様式を優先します。

居住者証明書はどのように取得しますか

 居住者証明書は、日本法人が日本・ドイツ租税条約上の日本の居住者であることを、日本の所轄税務署が証明する書類です。

 BZSt免税申請の基本資料として、鮮明なPDFをドイツ企業へ渡します。

  1. 国税庁の「居住者証明書交付請求書・居住者証明書(租税条約等締結国用)」を取得する
  2. 法人名、代表者名、所在地を日本語と英語で記載する
  3. 提出先国を「ドイツ連邦共和国/The Federal Republic of Germany」と記載する
  4. 必要部数に1部を加えた部数を、所轄税務署へ提出する
  5. 代理人が請求する場合は、本人確認書類、委任状その他の必要書類を準備する
  6. 郵送で受け取る場合は、切手を貼った返信用封筒を同封する
  7. 交付された証明書を鮮明なPDFにし、原本とともに保存する

 郵送による交付請求から入手まで約3週間を見込み、早めに準備する必要があります。

 実際の期間は税務署や時期により異なるため、支払日から逆算して余裕を持って請求します。

10,000ユーロ以下の簡便規定

 同じドイツ企業から同じ日本企業へ支払われる使用料が、同一暦年で合計10,000ユーロ以下の場合は、一定の条件の下で、BZStの免税証明書がなくても源泉徴収を省略できる簡便規定があります。

 この簡便規定は、金額だけで自動的に適用されるものではありません。

 支払者側の確認事項や社内手続があるため、適用の可否をドイツ企業へ確認します。

 10,000ユーロを超える場合、複数回の支払により年間合計額が超える可能性がある場合、または支払前に0%の取扱いを確定したい場合は、BZStの免税証明書を取得します。

 年間の支払見込額、契約期間、追加支払の可能性を確認し、簡便規定に依存するか、免税申請を行うかを早めに決めます。

免税証明書の申請時期と変更時の対応

 BZStの案内では、必要書類がそろってから処理に約3か月かかることがあるため、初回支払日の3~4か月前を目安に準備を始めます。

 免税証明書は遡って発行されません。

 10,000ユーロの簡便規定に該当する場合を除き、免税証明書がドイツ企業の手元にない時点で使用料を支払うと、原則として源泉徴収が必要になります。

 免税証明書が発行されたら、有効期間、対象となる日本企業、ドイツ企業、契約、支払期間および免税率0%を確認し、初回支払前にドイツ企業の経理担当者が保有していることを確認します。

 契約、株主構成、所在地、代表者、権利関係、使用料の計算方法または支払条件が変わった場合は、ドイツ企業へ速やかに知らせ、BZStへの追加説明または新たな申請が必要かを確認します。

 申請時に提出した情報、判断根拠および添付資料と、実際の支払内容が一致しているかを継続的に管理します。

ドイツ企業がBZStへ提出するまでの実務手順

  1. ゲーム出版・配信許諾契約書を確認し、支払が著作権使用料、著作権譲渡、ゲーム販売または役務提供のいずれに当たるかを判定する
  2. ドイツのゲーム会社がBZSt免税申請の代理提出を引き受けるか確認し、担当者、費用、期限、照会対応および決定通知の共有方法を合意する
  3. 初回支払日、希望する免税期間、使用料見込額および10,000ユーロ簡便規定の適用可能性を確認する
  4. 日本の所轄税務署から、ドイツ向けの居住者証明書を取得する
  5. 対象契約と委任範囲を限定したBZSt電子申請用委任状を作成し、日本法人の代表者が署名する
  6. 会社情報、契約情報、使用料見込額、実質的受益者性、事業実体、PE不存在および条約適用理由を整理し、契約書、請求書、支払予定表等をPDFで渡す
  7. ドイツ企業が作成した申請ドラフトを確認し、「Freistellung」、日独租税条約第12条、税率0%、期間、金額、委任権限および添付資料に誤りがないことを確認して提出を承認する
  8. ドイツ企業が公式電子データセットを送信し、日本企業が受付控え、Account-IDおよび申請内容の写しを受領する
  9. BZStから照会があれば、質問票、資本関係図、PE不存在宣誓書、登記英訳、決算書、事務所・給与資料等を準備して回答する
  10. 免税証明書の発行後、有効期間、対象契約、支払者および税率0%を確認し、最初の支払前にドイツ企業が保有していることを確認する

ドイツからの銀行送金で確認されやすい資料

 ドイツ企業から日本へ著作権使用料を送金する場合、ドイツ企業または送金銀行から、受取口座情報、送金目的および取引内容の確認を求められることがあります。

項目記載内容・確認事項
Beneficiary Name銀行に登録している日本法人の英文名義
Beneficiary Address銀行届出と一致する英文住所
Beneficiary Bank / Branch銀行名・支店名・銀行住所を英語で記載
SWIFT/BIC Code受取銀行を特定する国際銀行コード
Account Number / Type口座番号、必要に応じて支店番号、普通預金等の口座種別
Currency契約通貨・受取口座に対応するEUR、JPY等
Purpose of Remittance例:COPYRIGHT ROYALTIES UNDER GAME PUBLISHING AGREEMENT NO. …
  • ゲーム出版・配信許諾契約書
  • 請求書、ロイヤリティ明細および支払予定表
  • BZSt免税証明書の写し
  • 居住者証明書
  • 履歴事項全部証明書の英訳、会社ウェブサイトその他の会社確認資料

 契約書、請求書、送金依頼、免税証明書および銀行口座情報で、法人名、住所、契約番号、金額、通貨、支払期間および送金目的の表現をできるだけ一致させておくと、確認が円滑になります。

よくある誤り

  • 法的な申請者をドイツのゲーム会社と考え、日本法人の申請者としての確認・承認を残さない
  • ドイツ企業が代理申請を引き受けるか、担当者、費用、期限および照会対応を事前に確認しない
  • 対象契約や委任範囲を特定せず、白紙に近い委任状を作成する
  • 公式フォーム名の「Erstattung/Freistellung」を見て、支払前の免税申請なのに「Erstattung」を選択する
  • 従来のPDF様式を郵送または添付するだけで、正式な電子申請が完了したと考える
  • 免税証明書がドイツ企業の手元にないまま支払を行い、後から証明書を遡及させようとする
  • 契約書に「Royalty Fee」と書かれているだけで、権利の範囲や著作権の帰属を確認しない
  • 日本企業が申請ドラフトを確認せず、会社名、契約、金額、期間、税率または添付資料の誤りを見落とす
  • 送信受付控え、Account-ID、照会・回答および免税証明書を日本企業側で保存しない
  • 株主構成、所在地、代表者、権利関係または支払条件が変わっても、ドイツ企業へ連絡しない

ドイツの租税条約申請に関するよくある質問

Q1. ドイツのゲームパブリッシャーから著作権使用料を受け取れば、必ず源泉税0%ですか

 いいえ。

 受取人が日本の居住者・受益者であること、支払が条約上の使用料であること、ドイツPEと実質的に関連しないこと、事業実体・租税回避防止要件を満たすことなどを確認し、原則として支払前に免税証明書を取得します。

Q2. BZSt免税申請の法的な申請者は誰ですか

 著作権使用料を受け取る日本のゲーム会社です。

 ドイツのゲーム会社は、書面による委任状に基づき、第三者として電子提出を代行します。

Q3. 日本のゲーム会社がBZStのドイツ語画面を操作する必要がありますか

 このページの前提では、必要ありません。

 委任を受けたドイツ企業が入力・添付・送信を行い、日本企業は資料を準備し、提出前ドラフトを確認・承認します。

Q4. 免税証明書はすべての支払で必要ですか

 同じドイツ企業から同じ日本企業への使用料が同一暦年で合計10,000ユーロ以下の場合、一定の条件の下で免税証明書なしに源泉徴収を省略できる簡便規定があります。

 適用の可否はドイツ企業へ確認し、10,000ユーロを超える場合や支払前に0%を確定したい場合は免税証明書を取得します。

Q5. 免税申請は支払後でも間に合いますか

 支払前の申請が基本です。

 免税証明書は遡って発行されません。

 このページは源泉徴収前の免税手続を対象としており、源泉徴収後の還付手続は別途検討が必要です。

Q6. 居住者証明書はどこへ提出しますか

 日本の所轄税務署から取得し、鮮明なPDFを代理提出するドイツ企業へ渡します。

 ドイツ企業がBZStの電子申請に添付し、日本企業も原本と写しを保存します。

Q7. BZStの処理にはどのくらいかかりますか

 ガイドブックでは、必要書類がそろってから約3か月かかることがあるとしています。

 初回支払日の3~4か月前を目安に準備し、照会や追加資料の可能性も見込みます。

Q8. BZStから追加資料を求められた場合、何を準備しますか

 質問票、PE不存在宣誓書、資本関係図、履歴事項全部証明書の英訳、決算書、事務所賃貸借契約、給与資料などが考えられます。

 必要資料は個別案件で異なるため、照会内容に対応して事実関係と裏付資料を整理します。

Q9. 個人事業者もこのページと同じ手続ですか

こ のページは日本法人を対象にしています。

 個人、組合その他の事業体では、申請者情報や必要書類が異なる可能性があるため、個別に確認します。

当事務所のドイツ租税条約対応サポート

 三谷豊章税理士事務所では、日本のゲーム会社がドイツのゲームパブリッシャーへゲームの出版・配信権等を許諾して受け取る著作権使用料について、契約内容と租税条約の確認、居住者証明書の取得支援、BZSt電子申請用委任状・情報提供ワークシートの作成支援、提出前ドラフトの確認、実質的受益者性・事業実体・PE不存在の説明およびBZStからの質問への対応を行っています。

 詳細な委任状、申請情報提供ワークシート、質問票、PE不存在宣誓書、資本関係図、登記・決算書・賃貸借契約・給与資料の英訳例、免税申請チェックリストおよび銀行送金資料は、「ゲーム配信許諾に係る著作権使用料 租税条約対応ガイド【ドイツ編】」に収録しています。

執筆・監修

三谷 豊章(税理士・三谷豊章税理士事務所)

 名古屋国税局、税務大学校名古屋研修所、各税務署において約17年間、税法の解釈・適用に関する研修業務および納税者・税理士からの税務相談対応に従事。

2024年7月に名古屋西税務署を退職し、2024年10月に三谷豊章税理士事務所を開設。

主な公的資料

最終更新日:2026年8月1日

利用上の注意

 このページは、日本のゲーム会社が自社のゲーム著作権を保有したまま、ドイツのゲームパブリッシャーへドイツ国内での出版・配信等の権利を許諾し、著作権使用料を受け取る前に、BZStへの源泉税免税申請をドイツ企業へ書面で委任する一般的な事例を整理したものです。

 源泉徴収後の還付手続は対象としていません。

 契約内容、委任範囲、権利の範囲、所得区分、受益者性、株主構成、事業実体、恒久的施設、租税回避防止要件、支払時期および当局の運用により取扱いは異なります。

 申請時にはBZStの最新画面・案内、日本・ドイツ租税条約およびドイツ法を確認し、個別案件の税務判断やドイツ法上の手続については、必要に応じて日本およびドイツの専門家へ確認してください。